「以前よりスーパーで買うものが高くなった」
「給料は増えているはずなのに、生活が楽になった感じがしない」
「節約したいけれど、何から見直せばいいのか分からない」
そんな人が増えている背景の一つが、ここ数年続いてきた物価上昇です。
日本では賃金も上昇しています。
しかし、賃金が増えても物価がそれ以上に上昇すれば、同じ金額で買える商品やサービスは減ってしまいます。
つまり大切なのは、
「給料が何%増えたか」だけではなく、「物価を差し引いたあとで生活に使える力が増えたか」
を見ることです。
この記事では、2021年以降の物価と平均賃金の推移を確認しながら、なぜ今も家計の見直しや節約が重要なのかを分かりやすく解説します。
- 結論|賃金は上がっていても物価上昇で家計が楽になるとは限らない
- 2021~2025年の物価と平均賃金の推移
- 2025年は給料が2.3%増えても実質賃金は1.3%減
- 物価は2020年から約12%上昇
- 食品の値上がりは家計に直接響きやすい
- 2026年は賃金に改善も見られる
- 物価上昇率が下がっても生活費は元に戻らない
- 物価高の時代は「収入アップ+支出管理」が重要
- 節約するなら食費を我慢する前に固定費を見直す
- 固定費は一度減らせば節約効果が続く
- まずはサブスクを全部確認してみる
- 月500円でも年間では6,000円
- 動画サブスクを見直すだけでも固定費を減らせる
- 節約するときに削りすぎないものも決める
- 食費は「安いものを買う」だけでなく食品ロスを減らす
- 毎月1万円の節約なら年間12万円
- 節約で浮いたお金の使い道も決めておく
- 節約は「生活の質を下げずに固定費を減らす」のが理想
- 家計の見直しチェックリスト
- よくある質問
- まとめ|物価高の時代こそ「無理な我慢」より家計の仕組みを見直そう
結論|賃金は上がっていても物価上昇で家計が楽になるとは限らない

まず重要なのは、
日本の賃金がまったく上がっていないわけではない
という点です。
厚生労働省の毎月勤労統計では、現金給与総額は2021年以降、年平均で増加が続いています。
一方、総務省の消費者物価指数を見ると、2022年以降は物価も大きく上昇しています。
その結果、
「給料は増えたけれど、生活費もそれ以上に増えた」
という年が続きました。
家計を守るためには、収入が増えるのを待つだけではなく、
- 固定費を減らす
- 使っていないサブスクを整理する
- 通信費を見直す
- 保険を確認する
- 外食・買い物の回数を管理する
といった支出側の見直しも重要です。
2021~2025年の物価と平均賃金の推移

総務省の消費者物価指数と、厚生労働省の毎月勤労統計を並べると、ここ数年の家計環境が見えやすくなります。
| 年 | 消費者物価指数の前年比 | 現金給与総額の前年比 |
|---|---|---|
| 2021年 | -0.2% | +0.3% |
| 2022年 | +2.5% | +2.0% |
| 2023年 | +3.2% | +1.2% |
| 2024年 | +2.7% | +2.8% |
| 2025年 | +3.2% | +2.3% |
※消費者物価指数は全国総合。賃金は毎月勤労統計の調査産業計・事業所規模5人以上の現金給与総額。
この表を見ると、2022年・2023年・2025年は、単純比較では物価上昇率が名目賃金の伸び率を上回っています。
2024年は名目賃金の伸びが物価上昇率をわずかに上回りましたが、厚生労働省が算出する実質賃金は前年比0.3%減となり、3年連続で減少しました。
2025年は給料が2.3%増えても実質賃金は1.3%減

2025年のデータを見ると、物価と賃金の関係がさらに分かりやすくなります。
厚生労働省の毎月勤労統計では、2025年の現金給与総額は、事業所規模5人以上で平均355,919円。
前年より2.3%増でした。
しかし、実際に商品やサービスを買える力を示す実質賃金は、持家の帰属家賃を除く消費者物価指数で実質化すると、前年より1.3%減でした。
つまり、名目上は給料が増えていても、物価上昇を考慮すると購買力は低下したということです。
物価は2020年から約12%上昇

物価高の影響を考えるときは、1年間の上昇率だけでなく、数年間の積み重ねを見ることも重要です。
総務省の消費者物価指数では、2020年を100とした全国総合指数は、2025年平均で111.9でした。
単純に考えると、2020年と比べて平均的な物価水準は約11.9%高い水準です。
例えば2020年に月10万円で購入できていた商品やサービスと同じような買い物をする場合、平均的な価格水準だけで考えれば、現在は約11万1,900円相当になるイメージです。
もちろん、すべての商品が一律に11.9%上がったわけではありません。
食品や光熱費など、生活でよく使う品目によって上昇率は大きく異なります。
食品の値上がりは家計に直接響きやすい

物価高の中でも特に家計への影響を感じやすいのが食料品です。
総務省の2025年平均の消費者物価指数では、食料は前年比6.8%上昇しました。
食費は、住宅ローンや家賃と違い、毎日の買い物で価格上昇を実感しやすい支出です。
例えば年間60万円を食費に使っていた家庭で、支出内容が同じまま価格だけ6%程度上昇すれば、年間数万円単位で負担が増える可能性があります。
2026年は賃金に改善も見られる

ただし、今後もずっと「物価だけが上がって給料が追いつかない」と決めつけるのは正確ではありません。
2026年7月の毎月勤労統計確報では、現金給与総額は前年同月比4.3%増でした。
物価の影響を除いた実質賃金も、持家の帰属家賃を除く総合で2.0%増となっています。
また、2026年8月の全国消費者物価指数は、総合で前年同月比1.9%上昇でした。
最近は賃金の伸びが物価を上回る月も出ています。
それでも、過去数年間に積み上がった物価上昇が元に戻ったわけではありません。
「最近の物価上昇率が下がった」ことと、「商品価格が以前の水準まで下がった」ことは別です。
物価上昇率が下がっても生活費は元に戻らない

ここは非常に重要です。
例えば、
100円の商品が1年目に10%値上がり。
110円になります。
翌年の物価上昇率が2%まで下がったとしても、価格は100円に戻るのではありません。
110円からさらに2%上昇すれば、約112円になります。
つまり、
インフレ率が下がる=物価が下がる
ではありません。
家計では、すでに上昇した価格水準を前提に生活費を考える必要があります。
物価高の時代は「収入アップ+支出管理」が重要

物価上昇に対応する方法は、節約だけではありません。
理想的なのは、
- 給料を増やす
- 副収入を増やす
- 資産形成を行う
- 不要な支出を減らす
を組み合わせることです。
ただし、収入は今日決めて明日から増やせるとは限りません。
一方、固定費の見直しは比較的すぐ始められます。
節約するなら食費を我慢する前に固定費を見直す

節約というと、
- スーパーで安い商品を探す
- 外食を減らす
- 電気をこまめに消す
- 飲み物を買わない
といった方法を思い浮かべるかもしれません。
もちろんこれらも節約になります。
しかし毎日の我慢は続きにくいものです。
先に確認したいのが、
- スマホ料金
- インターネット
- 保険
- 動画サブスク
- 音楽サブスク
- AIサブスク
- クラウドストレージ
- ジム
- 有料アプリ
などの固定費です。
固定費は一度減らせば節約効果が続く

例えば使っていないサービスを整理して、毎月3,000円減らせたとします。
年間では、
36,000円
です。
5年間なら、単純計算で、
180,000円
になります。
一度契約を見直せば、毎日「節約しなければ」と意識しなくても支出が減るのが固定費見直しのメリットです。
まずはサブスクを全部確認してみる

最近はサブスクの種類が増えています。
- 動画
- 音楽
- AI
- 電子書籍
- ゲーム
- クラウド
- Officeソフト
- フィットネス
- デリバリー
一つひとつは数百円~数千円でも、合計すると大きな金額になることがあります。
クレジットカードや銀行口座の明細を見ながら、現在契約しているサービスをすべて書き出してみましょう。
月500円でも年間では6,000円

Close-up of stacked coins against green bokeh background. Finance and Banking Business Ideas Save money for investment, save money for retirement, prepare for the future. a tree growing on a coin
安いサブスクほど、
「このくらいなら残しておこう」
となりやすいものです。
| 月額料金 | 年間料金 |
|---|---|
| 300円 | 3,600円 |
| 500円 | 6,000円 |
| 550円 | 6,600円 |
| 1,000円 | 12,000円 |
| 1,500円 | 18,000円 |
| 3,000円 | 36,000円 |
月額では安く見えても、年間料金にすると判断しやすくなります。
動画サブスクを見直すだけでも固定費を減らせる

複数契約になりやすいのが動画配信サービスです。
例えば、
- Netflix
- U-NEXT
- Disney+
- Hulu
- DMM TV
などを複数契約すると、毎月数千円になる場合があります。
おすすめなのは、
普段利用するサービスを1つ決めて、見たい独占作品がある月だけ別サービスを追加する方法
です。
低価格な動画サービスを1つ残す方法も

例えばDMM TVを利用できるDMMプレミアムは通常月額550円(税込)です。
動画をよく見る人なら、低価格なサービスを普段使いにし、ほかの動画サービスは必要な期間だけ利用する方法があります。
ただし、月550円でもまったく利用しなければ年間6,600円です。
安いから残すのではなく、使うから残すことが重要です。
節約するときに削りすぎないものも決める

節約は支出をゼロにすることではありません。
例えば、
- 毎日見る動画
- 通勤中に使う音楽
- 仕事で使うAI
- 運動のためのジム
など、自分にとって利用価値が高いものまで削ると生活の満足度が下がる可能性があります。
節約で優先したいのは、
「払っているのに使っていないもの」
です。
食費は「安いものを買う」だけでなく食品ロスを減らす

食料品の価格が上がっているからといって、食事そのものを極端に減らす必要はありません。
先に確認したいのは、
- 冷蔵庫の食材を捨てていないか
- 買い物前に在庫を確認しているか
- コンビニへ毎日寄っていないか
- 外食やデリバリーが増えすぎていないか
です。
価格上昇そのものを止めることはできなくても、無駄な購入を減らすことはできます。
毎月1万円の節約なら年間12万円

例えば固定費と日常支出を合わせて、
- サブスク:3,000円
- 通信費:2,000円
- 外食・コンビニ:3,000円
- 保険・その他:2,000円
合計1万円を見直せたとします。
年間では、
120,000円
です。
5年間なら単純計算で60万円になります。
毎日の小さな節約だけでなく、固定費を一度まとめて確認する意味は大きいといえます。
節約で浮いたお金の使い道も決めておく

節約は我慢することが目的ではありません。
浮いたお金を、
- 生活防衛資金
- 貯金
- 旅行
- 教育費
- 住宅ローン返済
- 将来の資産形成
- 本当に好きな趣味
などに回す目的を作ると続けやすくなります。
節約は「生活の質を下げずに固定費を減らす」のが理想

物価が上がったからといって、
電気を使わない。
食事を極端に減らす。
趣味をすべてやめる。
必要はありません。
おすすめなのは、
生活満足度への影響が小さい支出から減らすこと
です。
使っていないサブスクや、必要以上に高い通信プランなどはその代表例です。
家計の見直しチェックリスト

- 契約しているサブスクを全部把握している
- スマホ料金を過去1年以上見直していない
- 保険に入りすぎていないか確認した
- 動画サブスクを3つ以上契約している
- AIサービスを複数有料契約している
- 外食・デリバリーの月額を把握している
- コンビニで月いくら使っているか知っている
- 年間固定費を計算した
- 浮いたお金の使い道を決めている
3つ以上「確認していない」項目があれば、一度家計を整理してみる価値があります。
よくある質問

物価は本当に上がっている?
はい。全国の消費者物価指数は2025年平均で前年比3.2%上昇しました。
2020年を100とすると2025年平均は111.9となっています。
給料も上がっているのでは?
名目賃金は上昇しています。
2025年の現金給与総額は前年比2.3%増でした。
ただし物価の影響を考慮した実質賃金は前年比1.3%減でした。
2026年はどうなっている?
2026年7月の確報では現金給与総額が前年同月比4.3%増、実質賃金も2.0%増となっています。
一方、2026年8月の消費者物価指数は前年同月比1.9%上昇しています。
足元では改善が見られますが、過去数年間に上昇した物価水準が元に戻ったわけではありません。
節約は何から始めるべき?
まず固定費がおすすめです。
使っていないサブスク、通信費、保険などを確認すると、生活の満足度を大きく下げずに支出を減らせる場合があります。
サブスクは全部解約したほうがいい?
必要ありません。
毎日利用しているものは残し、2か月以上使っていないサービスなどから整理しましょう。
まとめ|物価高の時代こそ「無理な我慢」より家計の仕組みを見直そう

日本では賃金も上昇しています。
しかし、ここ数年は物価上昇も大きく、2025年は現金給与総額が前年比2.3%増だった一方、実質賃金は1.3%減でした。
さらに消費者物価指数は2020年を100として2025年平均111.9となり、数年間の物価上昇が家計に積み重なっています。
2026年には実質賃金がプラスになる月も出ていますが、すでに上昇した生活費そのものが以前の水準へ戻ったわけではありません。
だからこそ、物価高の時代には、
- 収入を増やす
- 固定費を減らす
- 無駄な買い物を減らす
- 使っていないサブスクを整理する
- 浮いたお金を貯蓄や将来へ回す
という家計管理が重要になります。
特に固定費は、一度見直せば節約効果が毎月続きます。
毎日の食費を少しずつ我慢する前に、まずスマホ料金や保険、動画・音楽・AIなどのサブスクを確認してみましょう。
大切なのは、
「何でも我慢すること」ではなく、「満足度の低い支出を減らして、本当に必要なものへお金を使うこと」。
物価高が続く環境だからこそ、一度家計全体を見える化し、無理なく続けられる節約を始めてみてください。

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