ソニーの新有機ELテレビA80Lシリーズは買ってはいけない?2022年モデルのA80Kとスペックがほぼ同一

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2023年4月22日にソニーからA80Lシリーズが発売されてましたが、2022年のA80Kシリーズと全くの同スペックで、一体何が変わったのか疑問に思う方も多いと思います。

輝度が約10%向上したなどの変化はありますが、2022モデルどころか2021年モデルでも自宅で使用するには十分な明るさを出せるため、価格が高いだけでメリットはないかもしれません。

2023年モデルのA80Lシリーズを、2022年、2021年モデルと比較して違いを分かりやすく紹介いたしますので、購入を検討している方はぜひ参考にしてください。

2023年モデルA80Lと2022年モデルA80Kの違い

A80LとA80Kは、間違い探しをするかのように同一性能であり、実際に主要スペックを比較すると次の表の通りです(55型でのスペックを掲載しますが、65型も同様の違いです)。

2023年モデル
XRJ-55A80L
2022年モデル
XRJ-55A80K
有機ELパネルLG製LG製
パネル特性低反射低反射
最大輝度110%100%
映像エンジン認知特性XR認知特性XR
XRクリアイメージ
超解像XR 4K アップスケーリングXR 4K アップスケーリング
トリルミナスXR トリルミナス プロXR トリルミナス プロ
スピーカー50W50W
スピーカー構成アクチュエーター3
サブウーファー2
アクチュエーター3
サブウーファー2
ゲームメニュー
※1
ECOメニュー
※1
消費電力351W351W
年間消費電力187kWh187kWh
寸法134.4×83.9×17.8cm134.4×83.9×17.8cm
重量25.0kg25.0kg
※1 本体アップデートで追加可能

【最大輝度10%向上】
2022年モデルより少しだけ明るくなるが、購入して自宅に届くときは最大輝度に設定されておらず、自宅では不要な明るさを言っているも同じ(2022年モデルでさえ明るさを落として出荷されている)。

【XRクリアイメージ】
XRクリアイメージは地上波などのノイズを低減するとされており、コンテンツの解像度やビットレートなどの分析力を高めて「元々持っているノイズ除去機能の効率化」を図る機能。

ただし、解像度やビットレートなどの基礎情報は、ノイズがどの程度含まれているかを示す情報ではないため、ノイズ除去の効率はほとんど上がらない(要するに、おまけ程度の機能)。

【ゲームメニュー】
ゲームメニューはクロスヘア設定や画面サイズ調整が行えるが、クロスヘア(FPSゲームで使う照準)を有機ELパネルで使用すると焼き付くリスクが高過ぎるため絶対に使用してはいけません。

また、画面サイズ調整は、30インチ前後まで範囲を絞ってゲームを表示することで、昔のゲームでも粗さを抑えて楽しめるメリットや、視線の移動範囲を小さくすることで対人戦において素早い反応が可能になるメリットがある。

昔のDVDを見るときや、スマホゲームをテレビに出力するときにも活用できるため、使えるシーンはそれなりにあるかもしれません。

なお、2022年のA80Kシリーズはゲームメニューを搭載していませんが、本体をインターネットに繋いでアップデートすることで追加可能です。

【ECOメニュー】
ECOメニューは、既存の省エネ関連の機能を1ヶ所にまとめただけで新機能ではない

なお、ECOメニューも本体をインターネットに繋いでアップデートすることで追加可能です。

【まとめ】
以上4種類の違いがあるにはありますが、ゲームの画面調整機能以外はメリットにならず、それも本体をアップデートすれば追加できてしまうため、2023年モデルのA80Lシリーズが絶対に欲しい!とはならないでしょう。

もちろん性能が劣化した訳ではないので、買ってはいけないとはなりませんが、価格が高いためコストパフォーマンスは悪くなっています。

価格の違い

2023年モデル
XRJ-55A80L
2022年モデル
XRJ-55A80K
初期売価396,000円374,000円
現ソニーストア363,000円319,000円
Amazon283,800円238,000円
税込。2023年6月16日時点

ソニー公式ストアでもAmazonでも、2023年モデルと2022年モデルでは4万円以上の差があります。

2023年モデルのA80Lが4万円以上の性能差があるかどうか、ハッキリ言ってありません。

唯一のメリットかもしれないゲーム画面調整機能も、144Hz対応で27インチのゲーミングモニターが2万円程度で購入できます。

新品で梱包されている家電製品は、製造が1年程度前でも寿命への影響はゼロに等しいため、型落ちモデルでも寿命は問題ありません。

特にソニーの有機ELはAndroid(Google TV)が搭載されているため、本体や搭載アプリのバージョンアップを行えるため、設計が1年前でも最新に追い付きます

最大輝度10%向上など、ハード面は追い付けませんが、最大輝度での視聴は家電量販店など、業務用の照明下でなければ必要のない明るさです。

自宅で使用すると眩しく省電力は上がり寿命を削る行為でもあるため、ユーザーにとってメリットはありません(液晶と同程度とされている電気代や寿命の計算方法は、自宅用の明るさでの話です)。

また、Amazonや楽天では、さらに型落ちモデルである2021年製のA80Jシリーズも販売されているため、コスパを重視するならA80Jシリーズもおすすめです(A80Jシリーズはアップデートによるゲームメニュー追加は対象外。ECOメニューのみ追加可能)。

2023年モデルA80Lと、2021年モデルA80Jの違い

2023年モデル
XRJ-55A80L
2021年モデル
XRJ-55A80J
有機ELパネルLG製LG製
パネル特性低反射低反射
最大輝度110%約90%
映像エンジン認知特性XR認知特性XR
XRクリアイメージ
超解像XR 4K アップスケーリングXR 4K アップスケーリング
トリルミナスXR トリルミナス プロXR トリルミナス プロ
スピーカー50W30W
スピーカー構成アクチュエーター3
サブウーファー2
アクチュエーター2
サブウーファー2
ゲームメニュー
ECOメニュー
消費電力351W347W
年間消費電力旧基準187kWh新基準222kWh
(旧基準では約184kW)
寸法134.4×83.9×17.8cm134.4×83.9×17.8cm
重量25.0kg25.0kg

【最大輝度】
最大輝度は2023年モデルA80Lを基準にすると、2021年モデルは20%程度落ちるが、どちらのモデルも自宅に届いたときは輝度が大幅に下がった設定になっている。

「2023年モデルの自宅用の明るさ」=「2021年モデルで明るさを20%程度上げた明るさ」が成り立ち、2021年モデルでもまだまだ輝度を上げられるため、最大輝度の価値は自宅ではほとんどない

ただし、電気効率に違いがあり、2021年モデルで明るさを上げて使うと、電気代は高くなり、寿命も減るため注意しましょう。

2023年モデル
XRJ-55A80L
2021年モデル
XRJ-55A80J
消費電力量旧基準187kWh旧基準で約184kW
電気代6,653円/年6,546円/年
同一の明るさ6,653円/年7,855円/年
寿命への影響製品寿命自体はほとんど変わらないが
輝度が落ちるタイミングが早まる
Amazonでの価格283,800円184,800円
税込。2023年6月16日時点 エネルギー単価27円/kW 燃料費調整額5.13円/kw 再生可能エネルギー発電促進賦課金3.45円/kw

電気代は年間1,200円程度高くなり、「電気を多く使う」=「熱によるダメージ」があるため、寿命はほんんど変わらないとしながらも1~2ヶ月程度は減るかもしれません。

有機ELの寿命自体は自宅用のモードのまま使えば9年程度(安心して言える年数)であり、実際にはそれよりも長くもつことが多いのですが、使用を開始して5年を経過したあたりから徐々に輝度が落ちていきます。

輝度を上げて使うと、5年よりも早く輝度が落ち始める可能性があります。

ただし、徐々に落ちていくため変化に気付きにくく、2021年モデルでも自宅用のモードから最大輝度まで40~50%程度の余裕があるため、明るさが落ちたと気付いた場合には設定で輝度を上げてあげれば同じ明るさまで戻せます。

輝度を上げるとその分電気代が高くなりますが、A80Lであっても輝度が落ちていくのは同じなので、有機ELを使用する上では避けられないリスクです。

2021年モデルのA80Jは電気効率において劣りますが、Amazonでの価格が10万円程度安いため、10年で1~1.5万円程度電気代が高いとしても、コストパフォーマンスが優れているのは2021年モデルのA80Jシリーズです。

ただ、A80Jシリーズはスピーカーの出力が異なります。

【スピーカー出力】
2023年A80Lシリーズが50Wのスピーカーに対し、2021年A80Jシリーズは30Wのスピーカーです。

出力が高い方が同じ音量で聞いた場合でも低音の迫力がでるため、映画鑑賞が好きな方であれば2023年モデルの方が良いかもしれません。

ただし、ソニーの有機ELテレビは画面全体を振動させて音を出し、スピーカーが内部に隠れていないためドラマやバラエティなど声の聞き取りやすさは30Wであっても抜群です。

低音の迫力についても、そもそも50Wも30Wも別売のサウンドバーと比較すると大差なく、本体の差額10万円でサウンドバーを購入した方が50Wの迫力をかんたんに超えていきます。

少なくとも低音の迫力は後で対処できるため、30Wのスピーカーで満足できなかった場合だけサウンドバーを買い足す流れにした方が損をすることがないでしょう。

2023年モデルA80Lシリーズが安くなるタイミング

2023年モデルA80Lシリーズがもっとも安くなるのは、次のモデルが出るタイミングであるため、2024年の4月前後です。

ただし、2022年のモデルから半導体不足の影響などで相場が上がっているため、2021年モデルほど安くはなりません。

特にソニーは2022年から価格を下げない方針を強化しており、例えば2022年モデルはすでに生産完了しているにもかかわらず、ソニーストアで319,000円で販売されています。

売れ残っているのも関わらず在庫処分していませんが、性能がほとんど変わらない2023年モデルの363,000円よりはお買い得に見えるため、購入してしまう方は一定数いるでしょう。

Amazonなどの通販サイトでは、2024年の4月を待たずに底値まで落ちますが、出荷元のソニーが価格を高くしているため、やはり2021年モデルほど安くはなりません。

2021年まではソニー製であっても55インチで20万円以下で購入できましたが、これから先は20万円を下回ることはないでしょう。

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