工事の手間がなく、窓にかんたんに設置できる窓用エアコンは非常に人気があります。
ただし、音が大きかったり電気代が高かったりデメリットもあるため、かんたんには購入を決断できません。
そこで今回、音が小さいモデルや電気代が安いモデルを、4メーカー14機種で比較しながら紹介します。
窓テラスに設置できる機種や、付属の窓鍵についても紹介するため、ぜひ参考にしてください。
窓用エアコンのメリット
窓用エアコンのメリットは複数ありますが、最大のメリットは工事不要のかんたん設置です。

- 窓用エアコンに付属されているフレームを窓に取り付けて、上下をネジで固定する
- フレームにエアコンをスポッとはめ込んで、本体上部をネジで固定する
手順をおおまかに説明すると、たった2つの作業で本体の設置は完了します。
後処理として、虫の侵入を防ぐ窓パッキンを付けたり(付属する場合が多い)、エアコン使用中の防犯鍵を付けたり(付属する場合が多い)しますが、単純作業なのでやり方が分からない事態には陥りません。
難点があるとすれば、本体が21~24kgあるため、女性1人での作業は難しいでしょう。
それでも2人で作業すれば十分に取り付け可能であるため、家族や友人と協力することで業者を呼ぶことなくエアコンを設置を終えられます。
工事が不要で得られるメリット | |
メリット1 | 業者を手配したり、工事日程を調整したりする面倒がない |
メリット2 | 業者を自宅に入れなくても良いため安心 |
メリット3 | 大家に工事連絡をする手間がない(賃貸の場合) |
メリット4 | 当然だが工事費用が掛からない |
窓用エアコンは本体価格も安いため、工事費用を含めて初期費用を大きく抑えられる点も大きなメリットです。
窓用エアコン 通販購入 | セパレートエアコン 通販購入 | セパレートエアコン 家電量販店購入 | |
本体価格(冷専) | 35,800円~ | 38,900円~ | 54,000円~ |
工事費 | 0円 | 17,800円~ | 10,800円~ |
合計 | 35,800円~ | 56,700円~ | 64,800円~ |
後加算料金 | 防犯用の窓鍵 1,000円前後 テラス窓用の枠 5,000円程度 | ネット業者は標準工事内容があいまいで、1万円以上追加請求されるケースが多い | 家電量販店は追加請求されるケースは少ないが、本体価格が高い |
本体価格(冷暖) | 61,000円~ | 42,180円~ | 75,000円~ |
工事費 | 0円 | 17,800円~ | 10,800円~ |
合計 | 61,000円~ | 59,980円~ | 85,800円~ |
注意事項 | ・機種が少ないため、冷暖両用はやや高い | ・後加算料金で合計7万円超がほとんど ・本体は型落ちが売られているため安い | ・冷暖タイプは毎年機種が入れ替わるため、本体が高い |
窓用エアコンは業者を手配せず自己完結できる製品であるため、家電量販店で購入せず通販を利用することで購入費用を大きく抑えられます(おすすめ機種はこちらで紹介)。
窓用の鍵はトヨトミ製以外であれば付属する機種が多いですが、窓枠にネジ留めして小さな穴を空けることになるため、賃貸に住んでいる場合は強力テープで固定するタイプの鍵を別途用意した方が良いでしょう(エアコンを使用しないときは窓を閉めて防犯できるが、エアコン使用時は半開きにするため、それ以上開かないように鍵を掛けられると安心)。
また、ベランダに出るためのテラス窓に取り付けたい場合は、付属の枠では高さが足りないため、別途延長枠を用意する必要があります。
メーカーや製品によって価格は異なるものの、およそ5,000円程度で購入できます。
なお、夏だけでなく冬にも備えたい場合は、窓用エアコンでも冷暖兼用のモデルが販売されています。
購入費用は約6万円ほどと高額になりますが、電気ストーブなどの購入費用や置き場所が不要になる利点を考慮すれば、冷暖兼用モデルを候補に加えても良いでしょう。
窓用エアコンの大きなデメリットと対策

窓用エアコンは導入が非常にかんたんな点が魅力ですが、セパレートエアコンと比較するとデメリットもいくつか見えてきます。
まず、広い部屋には不向きな点については、窓用エアコンは窓に設置するという本体サイズの制約があるため、最大でも8畳までに対応したモデルしか存在していません。
広い部屋には不向き
窓用エアコン | セパレートエアコン | |
木造住宅・和室 | 4.5畳まで | 8畳まで |
鉄筋コンクリ・和室 | 7畳まで | 12畳まで |
本体価格 | 35,800円~ | 74,000円~ |
木造住宅・和室 | 5畳まで | 10畳まで |
鉄筋コンクリ・和室 | 8畳まで | 15畳まで |
本体価格 | 60,900円~ | 104,000円~ |
最大8畳まで対応している窓用エアコンも、あくまでも気密性の高い鉄筋コンクリート家屋であればの話なので、木造や鉄骨家屋では5畳が最大です。
和室でなく洋室であれば、「畳とふすま」→「フローリングと木製ドア」となり、空気が逃げにくくなるため多少は条件が緩和されますが、木造5畳→8畳になるほどの効果はないでしょう。
ただし、扇風機と併用するのであれば、多少広くても部屋の温度を下げられます。
設計以上の広い部屋 | 対策 |
風量が不足し、風が行き届かない | 扇風機を使って循環させる |
冷房能力が不足し、部屋が冷えない | 温度設定を下げる (※寿命は減り、電気代は増える) |
窓用エアコンの風量は扇風機の10~15%程度であるため、部屋が広くなれば風が行き渡りませんが、扇風機と併用すれば風量は確保できます。
冷房能力も、20度まで下げられる能力の中で27度までの使用を想定して冷却空間を定めているため、部屋の広さに合わせて温度設定を下げれば、8~10畳の和室でも十分に室温を下げられます。
ただ、標準使用期間や標準使用電気量は27度に設定した場合の数値であるため、温度を下げれば標準使用期間10年が短くなり、電気代も月3,389円より高くなります(※3,389円はこのあと電気代の例として挙げるCW-1623Rモデルのケース)。
それでも窓用エアコンを2台設置して部屋を冷却するより現実的な運用であるため、セパレートタイプのエアコンを工事できない状況であれば、多少広い部屋であっても窓用エアコンを設置して暑さ対策をする方が健康のためになるでしょう。
運転音

窓用エアコンとセパレートエアコンの運転音を、同じメーカーの冷専エアコンで比較してみましょう。
窓用エアコン CW-1623R | セパレートエアコン RC2223R | |
音響パワー(本体) | 53dB | 51dB |
本体の高さ | 約1~1.5m | 約2m |
本体から1m離れて 椅子に座る | 音の減衰-0dB | -3dB |
本体から1m離れて 床に寝転ぶ | -3dB | -6dB |
本体から1m離れて 足を向けて床に寝転ぶ (2.5m離れる) | -7dB | -10dB |
音圧レベル (2.5m離れる) | 46dB | 41dB |
- 本体の出す音のパワー自体は、窓用もセパレートエアコンも大差ない
- セパレートエアコンは室内機が天井付近にあるため、使用者との垂直方向の距離が常に生じるが、窓用エアコンは寝転がらない限り生じない
- 2.5m離れれば窓用エアコンでも46dB程度まで減衰するが、昼間の戸建て住宅地ほどのざわつきを感じる
人が安眠できる音のレベルの目安は40dB程度といわれているため、46dBではやや不安ですが、例えばほかのメーカーのセパレートエアコン(IHF-2207G)では本体の音響パワーが61dBで、同様の減衰を考慮しても51dBであるため、窓用エアコンの46dBが睡眠を妨げるとまではいえません。
ただし、人は常時の音レベルよりも突発的な音が原因で起きてしまうことがあるため、適切な部屋の広さで適切な温度設定にして、本体に過度な負担が掛からないようにしましょう。
どうしても音が心配な場合は、
- 可能な限り距離を離す
- 自動運転を使わず、常に一定の動作をさせる(※風量を固定しても突発的な音がゼロになるわけではない)
- カーテンやついたてなどで本体との間に簡易的な壁を設ける(※風は扇風機で回り込ませる)
- ヒーリングミュージックを掛け、常に別の音が鳴っている状態にする(※スピーカーの質が悪いと逆効果)
ついたてやスピーカーでの対策は別途お金が掛かるため、すでに持っている方のみおすすめします。
電気代

窓用エアコン CW-1623R | セパレートエアコン RC2223R | |
消費電力 | 635W | 720W |
エネルギー効率 | 2.5APF | 10.3APF |
期間消費電力量 | 400kWh | 429kWh |
対応面積 | 4.5~7畳 | 6~9畳 |
電気代・1時間 | 14.1円 | 15.1円 |
・1日8時間 | 113.0円 | 121.1円 |
・30日 | 3,389円 | 3,634円 |
上記電気代は「外気温35度」「室内27度」「木造平屋の南向き和室」における目安です。
洋室は3,389円の目安より下がる可能性がありつつも、湿度を47%と想定しているため、湿度が高いと体感温度が上がり、設定を27度より下げて使う場合には電気代は3,389円よりも高くなるでしょう。
また、同メーカーの冷専セパレートエアコンよりも電気代が安いように見えますが、セパレートエアコンは窓用より約40%空間が広い6~9畳での使用を想定しています。
もしもセパレートエアコンを4.5~7畳で使用した場合、電気効率10.3APFから推計すると、電気代は1,000円以上安くなります。
窓用エアコン CW-1623R | セパレートエアコン RC2223R | |
消費電力 | 635W | 720W |
エネルギー効率 | 2.5APF | 10.3APF |
期間消費電力量 | 416kWh | 253kWh |
使用空間 | 4.5~7畳 | 左に揃える |
電気代・1時間 | 14.1円 | 8.9円 |
・1日8時間 | 113.0円 | 71.4円 |
・30日 | 3,389円 | 2,143円 |
想定を下回る空間での使用はエネルギー効率も10.3APFを下回るため、実際には2,143円よりも多少高くなりますが、同じ空間を冷やすのであれば窓用エアコンよりセパレートエアコンの方が電気代が安くなることは間違いありません。
7~10月の4か月使用すれば電気代で4,000円以上の差が出ると予想されるため、10年使えば工事代をまかなえるかもしれません。
とはいえ、窓用エアコンも適切な空間で使う限りは極端に電気代が高いわけではないので、初期費用の安さや、業者を呼ばずに取り付けできるメリットを考えると、十分に魅力ある選択肢といえるでしょう。
なお、2023年の夏の気温は例年並みかやや高い予報であり、電気代も値上がりするため、涼を取りつつ節電するために扇風機との併用をおすすめします。
窓用エアコンの小さなデメリットと対策

窓用エアコンには小さなデメリットもあり、不安や疑問に感じる方も多いと思いますので、それぞれ分かりやすく見ていきましょう。
取り付けできない窓がある?

国内の物件の「引き違い窓」であれば、取り付け出来ないケースは少ないものの、まずは次の条件を満たしている必要があります。

- 窓の開き幅が47cm以上
- 窓の高さが77cm以上(製品によっては76cmで設置できる)
窓用エアコン本体の幅は33.5cm~36.1cmですが、作業スペースや窓ストッパーなどを設ける空間が必要なため、本体+10cm以上の開き幅が必要です。
また、本体の高さは74.2~78cmですが、付属される窓用のフレームの高さが140~141cmであるため、本体の高さ~フレームの高さの範囲内で設置することになります。
ベランダに出るためのテラス窓に設置したい場合は、別売りの延長フレームを用意することで、+約50cmかさ増しできるので、最大190cmほどの窓まで設置可能です(※製品ごとに延長フレームの種類も異なるため、詳しくは後ほど紹介する商品説明ページを参考にしてください)。
窓の種類 | アルミ製 | 劣化しにくく、強度もあるため取り付け◎ 居住用家屋の窓のほとんどはアルミ製 |
スチール製 | 同上 学校や市役所など、公共の家屋でさらなる強度が求められる場合に使用されることがある | |
木製 | 金属製より劣化しやすく、強度に不安 古い木製窓だと、20kg超の本体を固定するためのネジで小さな穴が空く可能性あり | |
窓の左右 | 左側 | 基本的に左側で設置できないことはない |
右側 | ごくまれに、設置すると閉まらない構造の窓がある |
居住用家屋の窓はアルミ製が多いため、「左右どちらか一方を開けられる引き違い窓」で「幅と高さが規定内」であれば基本的には取り付けられます。
なお、左側に取り付けるか右側に取り付けるかの選択は、就寝時の音圧を減らすために、布団やベッドから遠くなる方に付けましょう。
距離が変わらない場合や右側では窓が閉まらない場合は左側に付けると良いでしょう。
窓が対応していても取り付けできない場合がある?

物理的に窓に取り付けできても、以下の理由から取り付けを断念するケースがあります。
- 窓のすぐ向こうに障害物がある(1m以内)
- 窓の向こうに別の民家の窓がある(2m以内)
- 窓にネジの跡を残せない(賃貸物件の場合)
- 本体が重たくて窓まで持ち上げられない
断念するケース | 窓のすぐ向こうに障害物がある |
理由 | 排熱がスムーズにいかず、冷風が出なくなる可能性がある |
断念するケース | 窓の向こうに別の民家の窓がある |
理由 | 室内より室外の方が運転音が大きく、2mの距離と窓1枚でー10dBほど減衰しても室内と同程度の音を響かせてしまうため、騒音トラブルになる可能性がある |
断念するケース | 窓にネジの跡を残せない |
理由 | 本体を固定するネジは先が尖っていないため、穴が空くわけではないが、丸い跡が残る可能性がある |
断念するケース | 本体が重たくて窓まで持ち上げられない |
理由 | 本体が21~24kgあるため、女性1人では持ち上げられない可能性あり |
本体の重さは家族や友人と協力すれば乗り越えられる問題であり、窓のネジ跡も必ず残るわけではない上に、小さな跡に気付くことがそもそも稀です。木製の窓枠の場合のみ、跡が残る可能性に注意しましょう。
窓用エアコンの設置場所のすぐ近くに別の民家の窓があったり動かせない障害物があったりする場合は、抜本的な対策方法がありません。
ただし、障害物の距離1mは、メーカーが余裕をもっていっている数値であるため、多少冷却効率が落ちても良いのであれば1mの距離がなかったとしても涼を取ることは可能です。
騒音トラブルだけはメーカー側としてもどうにもできないため、音響パワーがなるべく小さな窓用エアコンを選ぶなどで対策するしかないでしょう。
窓は閉められる?

古い窓用エアコンは窓が閉まらないタイプもありますが、現在販売されている多くの窓用エアコンは本体がスリムになっているため、きちんと窓を閉められます。
- エアコン使用時は窓を開けて運転、排熱する
- エアコンを使わない時は窓を閉めて、きちんと防犯対策する
完成図は使用中のイメージであるため「窓ストッパー③」を出して窓が閉まらないように見えますが、「窓ストッパー③」を室内側に引くと窓は隅まできちんと移動でき、窓用エアコンがないときと同じように鍵を閉められます。
また、「鍵⑥」はエアコン使用するとき、半開きの窓がそれ以上開かないために追加する鍵です(トヨトミ製以外では基本付属する。ただしネジで固定するタイプなので、アルミ枠への取り付けが困難であったり穴が空くため賃貸物件では使用しづらい。別売の鍵は次の項目で紹介)。
なお、エアコン使用中はあみ戸を開けましょう。排熱があみ戸の耐熱60度を超えるわけではありませんが、冷却効率が低下する恐れがあります。
防犯は大丈夫?

エアコン使用中は、半開きの窓がそれ以上開かないようにするための窓鍵をかけることで防犯できます。
ただし、窓用エアコンに付属される鍵は窓枠にネジで穴を空けて固定するため、次の問題点があります。
- 金属用のキリで下穴を空けないと取り付けできない
- 電動ドライバーがないと非常に硬い
- 賃貸物件では穴開けは基本的にNG
もしも窓を新品に交換するとなった場合は2万円以上するため、賃貸物件に住む方はネジを使わないタイプの窓鍵を別途用意しましょう。
ただし、上記窓鍵も付属の窓鍵も、半開きの窓の外からの開錠が不可能ではありません。
あくまでもエアコンを使用中で住人が中にいる前提で成り立つ防犯対策であるため、自宅にいない場合は必ず窓をすべて閉めて本来の鍵を掛けましょう。
防犯効果を高めるために、⇩のような窓の開閉や衝撃で警報を鳴らす製品の導入もおすすめです。
虫は入って来ない?

窓用エアコンには半開きの窓のすき間を埋めるパッキンが付属されていることが多く、きちんと取り付けることで虫の侵入を防げます(当サイトでおすすめしている5機種はいずれも付属)。
何年か使用して粘着力が低下した場合には、市販の両面テープを使うなどして貼り直すと良いでしょう。
冬はどうするの?

窓用エアコンは主に夏用ですが、冬に暖房器具としても使用したい場合は、冷暖兼用モデルが販売されています。
機種の詳しい性能は後ほど紹介しますが、⇧窓用エアコンは冷暖兼用モデルの中ではもっとも省エネ性能が高いモデルです。
後継モデルは性能が落ちてしまっているため、旧機種である⇧モデルが残っているうちに購入すると良いかもしれません(詳しくはこちらで紹介しています※クリックorタップで自動スクロール⇩)。
置くだけで使うことはできない?

窓用エアコンを床に置くだけで使えるのかどうか。
本当に置くだけで使うと、室温は上昇します。
- あらゆる電化製品は交流電気を直流電気に変換して使用するが、変換効率は100%でない
- 20%程度のエネルギーを変換時にロスし、熱として放出する
冷たい空気を生み出す過程でもエネルギーロスが生じるため、常に「熱>冷」の関係が成り立ち、熱をどこかへ逃がさない限り室内の温度は上昇し続けます。
窓用エアコンは屋外に熱を逃がすのが本来の使用法ですが、どうしても窓から排熱できない場合は、次の手段で排熱を試みましょう。
- 台所の換気扇から熱を屋外へ逃がす
- 風呂場の換気扇から熱を屋外へ逃がす
- 玄関の扉から熱を屋外へ逃がす
いずれのケースでも、
「熱は屋外に逃がす」
「扇風機などを使用して熱を逃がす風の通り道を作る」
「冷風が逃げないようカーテンなどで冷と熱の壁を作る」
ことが必須です。
具体的には、1K物件であれば窓用エアコンを部屋と台所の間(ドア)に置いて、つっぱり棒とカーテンを真上に設置して、本体の上と横にカーテンを下ろして壁を作ります。
台所側に扇風機を設置して換気扇に向けて風を送り、換気扇を稼働させて熱を屋外へ逃がす。
台所は暑くなりますが、きちんと壁を作ってやることで部屋の温度は十分に下がるでしょう。
注意点としては、冷風の出る位置が低いため、部屋にも扇風機を置かないと冷風が十分に届かないことと、床に直置きしては振動音が伝わり音響レベルが増してしまうため、カーペットなど防振性のある敷物を用意しましょう。
また、窓に設置する場合と比較すると冷却効率が落ちるため、電気代は上がります。扇風機の使用台数も増えるため、例えば月3,500円の電気代が5~6,000円まで上がるかもしれません(1日8時間使用)。
壁として用意するカーテンがエアコンの背面に掛かってしまうと、熱によって溶けて燃えてしまうリスクがゼロではないため、推奨は少しもできませんが、もしも私が窓用エアコンを床置きで使用するとなった場合は、今お話しした方法で涼を取るでしょう。
音が静かランキング

音が静かな窓用エアコンを、本体価格や電気代の目安とともに紹介します。
それぞれタイプごとに見ていきましょう。なお、気になるランキングがあればクリック(タップ)すると自動スクロールで素早く移動できます。
4.5~7畳用(冷専)
音レベル | メーカー/型番 | 価格(税込) | 電気代 |
52dB | トヨトミ TIW-A160M W | 57,500円 | 3,363円/月 |
53dB | コロナ CW-1623R WS | 39,700円 | 3,389円/月 |
53dB | コロナ CW-1622R WS | 40,200円 | 3,389円/月 |
53dB | コロナ CW-1620 | 41,980円 | 3,524円/月 |
55dB | コイズミ KAW-1622/W | 37,600円 | 3,999円/月 |
57dB | ハイアール JA-16W-W | 35,800円 | 3,524円/月 |
57dB | ハイアール JA-16V | 39,800円 | 3,524円/月 |
- 音を最小限にしたい場合は、トヨトミ製「TIW-A160M W」電気代も1番低く抑えられる
- ある程度本体価格を抑えたい場合は、コロナ製「CW-1623R WS」。電気代も安くてコスパ◎
- 本体価格をとにかく下げたい場合はハイアール製「JA-16W-W」。電気代もある程度安く、付属される窓鍵がネジを使わないタイプ◎
それぞれメーカー名/型番をクリック(タップ)すると、より詳しい紹介ページまで自動スクロールで移動できます。
5~8畳用(冷専)
音レベル | メーカー/型番 | 価格(税込) | 電気代 |
54dB | コロナ CW-1822R | 46,800円 | 3,660円/月 |
55dB | コイズミ KAW-1912/W | 42,000円 | 4,456円/月 |
55dB | コイズミ KAW-1921W | 45,980円 | 4,456円/月 |
55dB | コイズミ KAW-1911/W | 46,367円 | 4,456円/月 |
55dB | コイズミ KAW-1922W | 52,800円 | 4,456円/月 |
57dB | ハイアール JA-18V | 45,280円 | 3,965円/月 |
57dB | トヨトミ TIW-A180M W | 60,900円 | 3,677円/月 |
- 音を最小レベルにしたい場合はコロナ製「CW-1822R」。電気代も1番安い
- 本体価格を抑えたい場合はコイズミ製かハイアール製だが、どちらも電気代が高いため1~2シーズンも使えば合計の出費がコロナ製の方が安くなる
それぞれメーカー名/型番をクリック(タップ)すると、より詳しい紹介ページまで自動スクロールで移動できます。
冷暖兼用モデル 5~8畳用(暖房は5~6畳)
音レベル | メーカー/型番 | 価格(税込) | 電気代 |
57dB | コロナ CWH-A1822-WS | 61,000円 | 夏:4,579円/月 冬:5,597円/月 |
57dB | コロナ CWH-A1823R | 68,500円 | 夏:5,150円/月 冬:6,295円/月 |
冷暖兼用モデルはコロナ社のみ販売しており、新旧2つのモデルがある。
新製品の方が性能が高いと思いきや、旧製品の方が電気代が安く、本体の奥行も4.1cm小さい。
音レベルや機能が同一である以上、新製品を買う理由がない(生産コストを下げるために性能を落としたのかどうかは不明)。
メーカー名/型番をクリック(タップ)すると、より詳しい紹介ページまで自動スクロールで移動できます。
窓用エアコンおすすめ5機種
トヨトミ【TIW-A160M W】
・電気代ももっとも安い!
・パワフル運転モード搭載!
1948年創業で愛知県に本社を置く老舗冷暖房機器メーカー、トヨトミ製の窓用エアコンです。
運転音の最小化と省エネ性能を両立するだけでなく、すぐに部屋を涼しくしたい場合は一時的に冷風効果を上げる20分のパワフル運転も可能です。
内部乾燥モードも搭載しているため、カビの発生を抑えてくれたり、吹き出し口が中央にあるため、カーテンが多少本体に掛かっていても風が遮られない点も地味に嬉しいポイント。
注意点としては、窓鍵が付属しないため、エアコン使用中の防犯のために必ず窓鍵を別途用意しましょう。
価格(税込) | 57,500円 | 窓閉め | 〇 |
電気代 | 3,363円/月 | 窓鍵付属 | × |
広さ | 4.5~7畳 | 窓の高さ | 76~140cm |
音響パワー | 52dB | 標準取付枠 | 付属 |
温度設定 | 16~30度 | 別売テラス枠 | 140~192cm |
タイマー | 1~12時間 | 本体寸法 | 36.1×27.5×74.2cm |
内部乾燥 | モード搭載 | 排水処理 | 不要(内部蒸発) |
標準使用期間 | 10年 | 重量 | 22kg |
コロナ【CW-1623R WS】/【CW-1622R WS】
・本体の幅や奥行きが、ほかのメーカーと比べて小さい!
・本体を日本で生産!
1937年創業で新潟県に本社を置く株式会社コロナ製の窓用エアコンです。
創業以来、自社の国内工場で多くの冷暖房機器を製造しており、CW-1623Rも国産である点が1つの魅力です。
機能面でも便利なおやすみ自動運転を搭載しており、タイマーを設定すると1時間後に温度設定を1度上げ、2時間後にもう1度上げてくれるため、冷やし過ぎを予防できます。
なお、このモデルは本記事で音レベルや電気代などをセパレートエアコンと比較するときに使用しているモデルです。
旧機種のCW-1622E WSは同一性能であるため、在庫が残っていて価格が安い場合には旧機種もおすすめです(別売のテラス窓用の枠も同じものを使用できます)。
価格(税込) | 39,700円 | 窓閉め | 〇 |
電気代 | 3,389円/月 | 窓鍵付属 | 〇 |
広さ | 4.5~7畳 | 窓の高さ | 77~140cm |
音響パワー | 53dB | 標準取付枠 | 付属 |
温度設定 | 20~30度 | 別売テラス枠 | 140~190cm |
タイマー | 1~12時間 | 本体寸法 | 33.5×24×75cm |
内部乾燥 | モード搭載 | 排水処理 | 不要(内部蒸発) |
標準使用期間 | 10年 | 重量 | 21kg |
ハイアール【JA-16W-W】
・付属の窓鍵がネジで穴を空けて固定するタイプでないので、賃貸でも安心!
・テラス窓に設置する場合、最大200.5cmまで対応できる!(※テラス窓用の枠は別売)
ハイアールは1984年に中国で創業された会社であり、日本では2002年から国内法人を立ち上げて電化製品の販売を行っています。
最大の魅力は価格の安さと、高さのあるテラス窓にも取り付けられる点です(テラス用の窓枠は別売)。
電気代も比較的安くてコスパは良いですが、機能面で内部乾燥モードが搭載されていないため、冷房・ドライ運転後は手動で送風運転しないとカビが発生する恐れがあります。
夏場は湿度が高く、冷たい空気を出し続けることで内部が多少なりとも結露するため、送風運転は必ず行いましょう。
価格(税込) | 35,800円 | 窓閉め | 〇 |
電気代 | 3,524円/月 | 窓鍵付属 | 〇 |
広さ | 4.5~7畳 | 窓の高さ | 77.7~141cm |
音響パワー | 57dB | 標準取付枠 | 付属 |
温度設定 | 16~30度 | 別売テラス枠 | 141~200.5cm |
タイマー | 1~12時間 | 本体寸法 | 33.5×25.6×77cm |
内部乾燥 | × | 排水処理 | 不要(内部蒸発) |
標準使用期間 | 10年 | 重量 | 23kg |
コロナ【CW-1822R】
・型落ちモデルのため本体価格も比較的安い!(新機種は68,500円)
・就寝時の冷え過ぎを防ぐおやすみ自動運転機能も搭載!
5~8畳の冷房専用では、CW-1822R以上に優れたモデルはありません。
低騒音、優れた省エネ性能だけでなく、機能面でも便利なおやすみ自動運転を搭載しており、タイマーを設定すると1時間後に温度設定を1度上げ、2時間後にもう1度上げてくれるため、冷やし過ぎを予防できます。
コイズミ製の最安値との差額4,800円は2シーズンの電気代で逆転するため、1937年創業で国内自社工場で生産しているコロナ社製CW-1822Rが断然おすすめです。
5~8畳用でほかに検討する価値があるとすれば、次に紹介する暖房機能も付いたモデルだけです。
価格(税込) | 46,800円 | 窓閉め | 〇 |
電気代 | 3,660円/月 | 窓鍵付属 | 〇 |
広さ | 5~8畳 | 窓の高さ | 77~140cm |
音響パワー | 54dB | 標準取付枠 | 付属 |
温度設定 | 20~30度 | 別売テラス枠 | 140~190cm |
タイマー | 1~12時間 | 本体寸法 | 33.5×24×75cm |
内部乾燥 | モード搭載 | 排水処理 | 不要(内部蒸発) |
標準使用期間 | 10年 | 重量 | 21.5kg |
コロナ【CWH-A1822-WS】
・本体の前面に換気レバーがあり、室内の空気の入れ替えもできる!
・就寝時の冷え過ぎを防ぐおやすみ自動運転機能も搭載!
暖房器具としても使用でき、タバコや焼肉のニオイを換気機能を使って輩出することもできるため、使い勝手は非常に向上しています。
機能面でも便利なおやすみ自動運転を搭載しており、タイマーを設定すると、冷房時は1時間後に温度設定を1度上げ、2時間後にもう1度上げてくれ、暖房時は1時間後に2度下げて2時間後にもう2度下げてくれるため、冷えすぎや暖め過ぎを予防できます。
1937年創業で国内自社工場で生産しているコロナ社製の窓用エアコンの性能は抜群ですが、1つだけ大きな注意点があります。
排水処理が必要です!


内部熱を利用して排水を蒸発処理できない主な理由は、冬場は外気が冷たくて十分に蒸発させられないためです。
夏冬兼用モデルは冬場に合わせて内部の仕様を変更しているため、夏場の使用においも排水処理をする必要があります。
排水ドレンは窓の外に出したりしまったりできるので、窓はきちんと閉められますが、使用前後には窓の開閉と合わせて排水ドレンを出し入れする手間が増えます。
室内に排水すればその手間がなくなる代わりに、容器を置くスペースや定期的に排水を捨てる手間があるため、暖房機能を確実に使う方のみおすすめします。
暖房機能を使うかどうかわからない場合は、冷房専用エアコンを購入して、浮いたお金でこたつを購入するなどして冬場の寒さ対策をしましょう。
価格(税込) | 61,000円 | 窓閉め | 〇 |
電気代 | 冷4,579円/月 暖5,597円/月 | 窓鍵付属 | 〇 |
広さ | 冷5~8畳 暖5~6畳 | 窓の高さ | 81.3~140cm |
音響パワー | 57dB | 標準取付枠 | 付属 |
温度設定 | 冷20~30度 暖17~30度 | 別売テラス枠 | 140~190cm |
タイマー | 1~12時間 | 本体寸法 | 36×22.2×78cm |
内部乾燥 | モード搭載 | 排水処理 | 必要! |
標準使用期間 | 10年 | 重量 | 24kg |
取り付け工具

窓用エアコンは設置が非常にかんたんですが、ドライバーなどいくつか用意すべき道具があるため紹介します。
- プラスドライバー
- マイナスドライバー又はコイン
- はさみ又はカッター
- 巻き尺
ドライバーやコインは窓にフレームを固定するために必須です。100円均一で購入できるもので十分なので、忘れず用意しましょう(コインは10円玉などでOK)。
はさみやカッターは、荷を解くときや、本体と窓の隙間をなくすパッキンを切るときなどに使います。
巻き尺はなくてもなんとかなりますが、パッキンを切るときなど、正確に計ってから切ることで隙間をゼロに近づけられます。
窓に取り付けできるかどうか寸法を計ることにも使用できるため、本体を買う前に購入しておいても良いでしょう。
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